1.実験の目的,2.実験の方法・原理,3.実験の結果,4.実験結果の考察・結論,
というような様式(書き方のパターン)がある.
その一方,設計製作や開発の手順では,製作するものの規模にもよるが,
1.性能要求や諸元の決定,2.設計,3.試作・検討,4.部品調達と製作,5.作動確認・評価,
という流れになる.
今回の課題で以上の事と同じことをまとめるわけではないが,知っておいてよいだろう.
| 図示例 | LED 1 | __|~~~~|______|~~~~|___ |
| LED 2 | ~|______|~~~~|______|~~ |
など,いろいろな事項が考えられる.
C1への充電→トランジスタの導通によるLEDの点灯とC1の放電,これを繰り返すことにより,自動的にLEDを点滅させる回路である.
この回路の作動は,まずR1を経由してC1が充電される.この時充電電流はD1を通るが,D1の両端の電圧はLEDが点灯するのに必要な約1.7Vには満たないので,LEDは点灯はしない.
C1の充電が進むとともに,C1の両端の電圧が上がってくる.そのため,電源の−極に接続されているTR1のエミッタと,C1の+側に接続されているTR1のベースの間の電圧,すなわちTR1のベース電圧[Vb]がゼロから上昇してくる.そして,TR1のベース電圧が約0.6Vにまで上昇するとTR1のベースからエミッタに向けてベース電流が流れ始める.
その結果,TR1のコレクタからエミッタにも(ベース電流の約100倍)電流が流れることができるようになる.つまりTR1のコレクタ・エミッタ間が導通する.すると,TR2のエミッタ・ベース間を通り,さらにTR1のコレクタ・エミッタ間を通ることになる.この電流はTR2のベース電流であるから,TR2のエミッタ・コレクタ間はさらに約100倍を上限として導通する.このTR2の導通はD1のLEDを点灯させることになる.
LEDが点灯した瞬間,C1の充電電気は放電してしまう.この放電は次の通りである.コンデンサの充電は上側電極が+,下側電極が−に帯電している状態であるが,−に帯電している下側電極には,TR2の導通とともに電源の+側に直通状態になる.このため−の帯電はプラスによって中和されてしまうことにより,放電状態になる.以上のことから,LEDが点灯すると同時にC1の放電が起き,TR1やTR2の導通は切れてしまう.切れると同時に最初のC1の充電から再スタートとなる.
この「充電」「点灯」の繰り返しの周期は,R1の抵抗値が大きければC1への充電がゆっくり進み,またC1の容量が大きくなれば充電(電荷の蓄積)に対する電圧の上昇がゆっくり進むから,どちらも周期が長くなり,つまり「ゆっくり点滅」することになる.このことを周期[T]秒,コンデンサの静電容量[C],抵抗値[R]として式に表すと,T=CRとなる.コンデンサの容量が2倍で抵抗値が半分ならば「同じ周期で点滅」ということになる.
この回路の作動は,電源投入直後ではR1→LED→C1→TR2と,R4→LED→C2→TR1の2つの流路で同時にコンデンサに充電が進むが,部品のわずかなバラつきによりどちらかの充電がより速く進む.わずかな違いであっても先に作動した方が反対側の作動を抑えるしくみになっているので,その違いに沿ってどちらか片方のLEDが先に点灯する.
TR2のコレクタ・エミッタが導通しD2が点灯している状態が先だと仮定する.すると,C2はR3→C2→TR2のコレクタ・エミッタ導通を通して充電が進みC2の左側が+として充電が進み,コンデンサの左側の電圧が上昇していく.
それが進むと,C2は左側を+として充電が進むので,R3の下・C2の左・TR1のベースの部分の電圧が上昇することになる.そこの部分の電圧が電池の−極に対して0.6V以上になるとTR1が導通する.すなわちTR1のコレクタ・エミッタ間が導通することになる.(トランジスタの導通とは,わずかなベース電流の流入により,コレクタ・エミッタ間がベース電流の100倍以上の電流での導通が起きることである)
ここで,TR1が導通するとD1のLEDが点灯することと同時に,C1の右側について重大な変化が起こる.先ほどのTR2の導通とD2の点灯は,R2を通ったTR2のベース電流によって成り立っていたのだが,TR1が導通することにより,R2を通る電流はTR2へではなくて,C1→TR1のコレクタ・エミッタ導通成立による,C1の充電への方に流れていってしまう.その瞬間にさきほどまで点灯していたD2側のTR2のベース電圧がほぼゼロになってしまってD2→TR2の導通が止まってD2は消灯する.すなわち,D1の点灯と同時にD2は消灯することになる.
D1の点灯が続くと,先ほどのTR2やD2のときと同じように,C1の充電が進んでいき,C1の右側の電圧が上がってくる.その電圧が0.6Vを超えると再びTR2のベース電流が流れ始めてTR2が再度導通してD2が点灯する.同時にさきほどまでTR1を導通させていたC2の左側は,C2→TR2という充電経路ができてTR1側は作動が止まる.
この交互に導通が起きる周期は,R2,R3のの抵抗値とC1,C2の静電容量で決まり,抵抗値が大きく,静電容量が大きいほどゆっくりと作動が進むのでゆっくりと点滅が切り換わることになる.
簡略した回路であるので,電子工作の課題としては部品点数の少なさの割りには「作動が派手」な回路であり,その一方で,部品の定数のバラつきなどにより作動が不安定な場合もあり得る.また,単純なブロックの連続であり,このブロックをもっと多段接続していくことにより,たくさんのLEDを順次点灯させてフラッシャとして応用することもできる回路である.5段や8段の回路も試作し,動作を確認できた.
順次点灯の作動としては,各トランジスタのベース電流を抵抗器で供給しているが,前段から接続されたコンデンサによって,前段のコレクタの電圧変化との関係での充放電により,電圧変化の時間差がずれるような接続としている.コンデンサの容量が大きくなると時間のずれ方はゆっくりとなるが,抵抗器の抵抗値によっての時間差の変化は比例関係には無い可能性がある(実験によって確認する必要が残っている).
また,この簡略版の回路の動作が不安定な要因としては,部品定数のバラつきの他に,コンデンサの漏れ電流(すなわち,コンデンサの"品質")の大小もかかわってくる.また,電源電圧や電源となる電池の消耗度合い(電池の内部抵抗)によっても安定度が影響されることになる.NiCd電池2本の2.4V程度では点滅開始をせず全部のLEDが点灯しっぱなしということも時々発生したが,回路図で指定している電圧3Vよりも高い電源電圧を接続すると点滅開始しないということは見られなかった.しかし,簡略回路であるので,LEDはトランジスタを通して電源に直結であるので,高い電源電圧では,LEDの定格電流を超える電流が流れる危険がある.回路図指定の電圧での,回路全体での消費電流は10mA以下である.(豆電球の1/20程度)